リズムにおけるタイミングの重要性2

リズムにおけるタイミングの重要性2(改)

2010年東京JAZZのジョシュア・レッドマン(sax)。この時の演奏だけではない。遅れているSAXの代表だ。全然緊張感がない。ゆったりとしか吹けない。タメているのではない。ここでの私の指摘は重箱の隅をつついているのではない。タイミングの遅れは一過性のミスではない。昔のジャズピアニスト本田竹広氏が”マイナーズオンリー”というモードのブルースで4小節飛んでいる。アドリブで4小節消えているのだが、こういうのはミスだから許せる。DVD ”クリントイーストウッド ジャズナイト” において ジョシア・レッドマンがジェイムス・カーターとテナーバトルをやっている。フィンガリングの速さ、音の太さ、タイミング、音に何かを乗せるの 4点においてジェイムス・カーターに完敗である。ジョシア・レッドマンが小さく見える。タイミングの遅れる人は、すべての演奏で遅れている。このDVDでジェイムス・カーターがストリングスをバックに”ローラ”を演奏しているが、音に何かを乗せるという点で抜群の出来である。パーカーのそれに匹敵する。時代が違うので当然だが(パーカーの時代はチューナーが無い)、ピッチのコントロールがパーカーを上回っている。すごいテナーだ。もっと評価されるべきである。

2010年東京JAZZでN響とマーカス・ミラーが共演しているが ”BLAST” におけるN響、弦楽器は遅れている。勝手が違うので無理もない。かなり意識して前に弾いているが、まだ少し遅い。マーカスはファンクベースなので若干タメて弾くベースだが、弦のテーマはもっと前にキリッと弾くべきだ。指揮棒はもっと前に振っている。指揮棒の点は何を示しているのだろうか?ビートを点に置き換えてその点を示している。その点に対して楽器の音を点に置き換えて、それを合わせる。音の先端(アタック)を合わせてはいけない。N響の弦が遅れている。ファンクなのでドラムもスネアはタメているが、メロディはタメてはいけない。最初のマーカスのソロはチョッパーソロだが、これはリズムパターンを変化させたリズムソロなので少しタメて弾いている。リズムソロはメロディのソロではないので、この乗りでいいと思う。

例えば、スティービー・レイボーン(Guit.)は、バッキングとソロのタイミングを弾きわけている。マライア・キャリーの”HERO”では、ベース、ドラムともかなりタメて演奏しているが、それに対してマライアのボーカルはつんのめるように前に唄っている。ファンクでもブルースでもメロはタメない。

東京JAZZ に戻る。その後に続くアレックス・アンソニー・ハン(SAX)のソロ。 タイミング、ピッチとも抜群だ。音にも何かが乗っている。チャーリー・パーカーと同じものだ。この時のN響のテーマは音に何かが乗っているようには聞こえない。しかしピッチは抜群だ。 2 回目のマーカスのソロは 1回目と違い、かなり前に弾いている。これはリズムソロではなくメロディなので当然リズムソロよりはタイミングが前になっている。しかし、この程度のベースソロ、そしてチョッパーソロのベース奏者は日本にも何人も居る。マーカスのリズムソロもメロディのソロも、レベル的にはごく普通のものだ。何かが乗っている状態ではない。

JAZZもクラシックもロックもポップスもタイミングは同じである。

 クリティカルシンキングという言葉がある。これは批判的に物事を受け止め、それを自分の頭で考え直すという意味である。たとえば、誰がマーカスを天才と言い出したのか考えてみることだ。演奏者のプロフィールと自分の好みしか書けない評論家が天才だと書けば、人は天才になるのだろうか?マーカスの音に何かが乗っている訳ではない。チャーリー・パーカーやキース・ジャレットの音と比べればよくわかる。

”相手をリスペクトするのは大切だが、リスペクトしすぎてしまうのは良くない”

これはオシム(元サッカー日本代表監督)の言葉である。

ここでの私の考えについても批判的に受け止めて、それぞれが自分の頭で考え直してほしい。2014/05

音の先端(アタック)を合わせれば、2つの音が同時に聞こえるかという問題

コメントは受け付けていません。