Beautiful Love 小曽根 真 フレーズアナライズ(4)

譜面は一見ぼやけて見えますが、スマホの方は譜面をタッチ、PCの方は譜面をクリックで クリア に拡大できます)

a

CA3F0055

 1 段目1 小節。コードは Em7(b5)だが、フレーズは Dマイナーペンタ+b5ヘキサトニックスケールの断片で出来ている。コードを、無視してブルース的にフレージングしている。 2 小節コードはA7(b9)、3 小節コードは Dm7だが、この 2 ~3 小節も A7(b9)を無視して Dマイナーペンタ+2 ヘキサトニックの ワンスケールでフレージングしている。 4 小節、コードは Ab7(b9)。 1 拍表拍の C# 音をどう考えようか? Ab7 において C# 音を持っているスケールは、Abリディアン7thスケール、Abハーモニックマイナーパーフェクト 5th ビロー、Ab / Aオーギュメントスケール、クロマチックスケールの 4 つである。この中で、Abリディアン7th スケールは、b9th のテンションが無いので除外する。そして 1 拍裏の D音。これは裏拍であり音価も短いのではあるが、その後ろが 3 拍の休符になっている。休符は、その直前の音が支配しており、直前の音が伸びているのと同じことだ。このD音は音価が長いのと同じことで、ハーモニー上無視することはできない。よって、 Ab ハーモニックマイナーパーフェクト5th ビロー、Ab / Aオーギュメントスケール、クロマチックスケールの中で、D音を持っているスケールは?と考えると、クロマチックスケールだけになってしまう。従って、ここは C#音はグリスノート(又はアプローチノート)で、D音にアプローチすると考えるのである。

 2 段目 1 小節、コードは Gm7 。2 小節コードは C7。1 小節 3 拍から 2 小節 3 拍まで、 2 音による重音になっている。上のラインが C ミクソリディアン(Gドリアン)スケールで Bb 音から E 音まで順次下ってきている。下のラインは半音階で、 A 音から C# 音まで順次上がってきている。上の C ミクソリディアンスケールのラインは、ハーモニー的に見ても問題はない。下のラインも半音階なので 2 小節 3 拍以外の音はハーモニー的に問題はない。 2 小節 3 拍の音は半音階の最終音なので、 C7 のコードを無視できない。この 2 小節 3 拍の E 音, C#音はハーモニー的には C コンデミまたは、 Cアルタードの音である。次の 4 拍の Db(C#) 音、 Bb 音を含めて考えても、 C コンデミ又は Cアルタードになるのだ。つまり 1 小節 3 拍~ 2 小節 2 拍までは C ミクソリディアンスケール、 2  小節 3 ~ 4 拍は Cコンデミまたは Cアルタードスケールと考えるべきである。そして、特徴的というか少し違和感のあるのは、 1 小節 3 拍の b9 th(短 9 度) のインターバルである。ハーモニーがどぎついともいえるがそれを承知の上でやっているかもしれない。しかしあくまでも即興演奏なのでミスの可能性もある。尚 2 小節 4 拍の Db音、Bb音は、次の C 音、 A 音に向かう半音アプローチ音でもある。3 小節コードはF。1 拍は F のコードトーン。 2 拍裏の E ,G 音はコードF の M7 , 9th の音。 3 拍の D ,G 音と 4 拍表の A 音は F イオニアンスケールのスケール音。 4 拍裏の B 音は、次の 4 小節のコード E7 の 5 度で半音前にずれこんでいる。アンチシペイションである。 4 小節コードは E7, A7 。 3 小節の 4 拍裏の B 音から 4 小節 2 拍裏の F 音まで E コンデミスケール。 4 小節 3 ~ 4 拍は、 Aコンデミスケールでフレージング。

 3 段目 1 小節。コードは Dm7。 2 小節コードは Gm7 。 3 小節コードは Bb7 。 4 小節コードは A7(b9)。 1 小節1 拍から 4 小節 2 拍表まで、 E , A , E , G 音の 4 音からなるモチーフが 4 回繰り返されている。コードよりもモチーフの方が強いということで、このモチーフはインターバル的に移動はしないが、コードの方が変化していてコンスタントファンクションの考え方と同じである。 3  段目はスケール的にはすべて Aマイナーペンタでフレージングしている。

 4 段目 1 小節コードは Dm7 。ここは Dマイナーペンタ+ 2 ヘキサトニックでフレージング。 2 小節コードは G7 。 1 拍の Db , E 音と 2 拍表の D 音でリディドリゾルブを形成している。 2 拍裏の A 音で 2 小節 1 ~ 2 拍も Dマイナーペンタ+ 2 ヘキサトニックで考えている。 3 ~ 4 拍は G アルタードでフレージング。 3 小節コードは Bb7 。 4 小節コードは A7(b9) 。 3 小節最初の Ab 音から 4 つ目の D 音まで B コンデミ。 3 つ目の B 音から 6 つ目の B 音まで Bbコンデミ。 7 つ目の C 音から 4 小節最後まで Aコンデミでフレージングしている。

 b

CA3F0056 

1 段目 1 小節コードは Em7(b5)。ここはすべて Gマイナーペンタ+ 2 ヘキサトニックでフレージング。 3 小節コードは Dm7 。 1 拍裏の Bb 音と 2 拍裏の A 音は次の Ab 音に向かうクロマチックアプローチ音とみる。 3 ~ 4 拍は、 Dマイナーペンタ+b5 ヘキサトニック。 4 小節コードは Ab7(b9)。 1 拍表は 3 小節最後の音がずれこんだとみる。 1 拍裏と 2 拍 2 つ目の G 音は、 F# 音へ向かうアプローチノート。 2 拍の F# , Eb 音は、 Abコンデミ又は、 Abハーモニックマイナーパーフェクト5thビローのスケール音。3 ~ 4 拍はクロマチックアプローチで次の小節の Bb音へ向かっている。

 2 段目 1 小節コードは Gm7 。 2 小節コードは C7 。 1 小節 1 拍の Bb音はGm7 のコードトーン。 4 拍最初の音から 2 小節 4 拍の Gb 音まで C アルタードスケールで駆け上がっている。 2 小節 4 拍の最後の音 A音は、次の Ab 音に向かうアプローチノート。 3 小節。 8vb  は 8va  の誤りである。 1 拍のAb 、B 音は次の A 音に向かうリディドリゾルブ。 2 拍の A 音から 4 拍表の C 音まで、 D マイナーペンタでフレージング。 4 拍裏のCb音は次のBb 音に向かうアプローチノト。 4 小節、コードはE7 ,A7 。 1 ~ 2 拍はEアルタードまたは E コンデミでフレージング。 Eb 音はアプローチノート。 3 ~ 4 拍はAアルタードでフレージング。

 3 段目1 小節コードは Dm7。1~ 2 拍は Dマイナーペンタ。 3 ~ 4 拍は A トライアド。2 小節コードはGm7。 1 ~ 4拍までDマイナーペンタ+2 ヘキサトニックでフレージング。 3 小節コードはBb7。ここもDマイナーペンタでフレージング。C#音はアプローチノート。 4 小節コードは A7(b9)。1 ~ 4 拍まですべて A コンデミでフレージング。

 4 段目1 小節コードは Dm7。1 小節すべて Dマイナーペンタでフレージング。 2 小節コードは Bb7 , A7 。1 ~ 2 拍は Dマイナーペンタ+b5 でフレージング。 3 ~ 4 拍は A7(b9)のコードトーン。 3 小節コードは Dm7。 E 音は Dm7 の 9th の音。F 音はコードトーン。 4 小節のD音も Dm7 のコードトーン。

コメントは受け付けていません。