パット・メセニー, ヘキサトニック, ペンタトニック

パット・メセニーのアドリブフレーズの一部 をアナライズする。(スマホの方は譜面をタッチ、PCの方は譜面をクリックでクリアに拡大できます)

Here To Stay」は、CD  ” WE LIVE HERE” の 1 曲目にある。

この曲のアドリブフレーズの一部を抜粋して、アドリブにおける フレージング アイディア を探ることにする。

CA3F0059

  16分音符はハネている。 

1段目。 1 小節 1 拍、 C , A 音は、二つとも Am7 のコードトーン。 2 拍裏の E 音から 2 小節 1 拍の A 音までは、 Am6+ 2  ペンタトニック( Am6 の 4 音にROOTから 2 度の B 音を加えたペンタトニックスケール)でフレージングしている。このペンタトニックは、 Aドリアンスケールから派生している。1 小節 3 拍裏のC 音から 2 小節 1 拍の A 音までコード F#m7(b5) のコード分解。 2 小節 4 拍の E, G 音は Am7 のコードトーン。

2 段目。 1 小節 2 小節共に Aマイナーペンタ+b5  ヘキサトニックでフレージング。 2 小節 4 拍目の E, A, C 音は Am トライアドになっている。

3 段目。 1 小節 1 ~ 2 拍は、 Eハーモニックマイナースケールでフレージング。 3 拍はクロマチックライン。 4 拍は E マイナーペンタ+b5 ヘキサトニックでフレージング。 2 小節はすべて Aマイナーペンタ+b5 ヘキサトニックでフレージング。

4 段目。 1 小節 2 小節共にすべて Aマイナーペンタ+b5 ヘキサトニックでフレージング。

5 段目。 1 小節、すべて Am7 のコードトーンでフレージング。2 小節は Aマイナーペンタ+b5 ヘキサトニックでフレージング。 2 拍の 2 個目の B音と 3 個目の Db音はディレイドリゾルブで次の C 音にアプローチしている。 3 拍目の B 音はグリスノート。

6 段目。 1 小節。ここは Aマイナーペンタ+b5 ヘキサトニックでフレージング。 2 小節もすべて Aマイナーペンタ+b5 ヘキサトニックでフレージング。意外とシンプル。アウトサイドも皆無と言える。

b

CA3F0060

 

 1 段目。 1, 2  小節共にコードはDM7 。1 小節。 1 拍頭の E 音から 2 拍頭の C# 音まで、 F#m7 のコード分散でコードトーンである E , F# 音の間を、 E#(F) 音でクロマチックに繋いでいる。 2 拍は、この小節のコードであるDM7 のコードトーンC#音と 9th のE 音の間を半音で繋いでいる。 3 ~ 4 拍は Aマイナーペンタ+ 2    ヘキサトニックの断片と考える。 2 小節、 1 拍最初の E 音から 2 拍の A 音までFM7 のコード分散。 2拍最初のE 音から 4 拍最後までAマイナーペンタでフレージング。

 2 段目。 1 、2 小節共にコードは DM7 。1 小節。 1 ~3 拍はF# マイナーペンタ+b6  ヘキサトニックでフレージング。 4 拍から 2 小節最後まで 1 拍 6 連譜 3 個一組のモチーフの連続になっている。1 個目と2 個目の間は 2 度(短 2 度または長 2 度)、 2 個目と 3 個目の間は 3 度(短 3 度または長 3 度)のモチーフの連続になっている。モチーフの完全平行移動(コンスタントファンクション)にはなっていないようである。モチーフの 1 個目の音をグリスノートと考えると、2 個目と 3 個目の音がスケール音を拾っていることになる。そう考えると 1 小節 4 拍のモチーフは D イオニオン又は D リディアンスケールの断片であろう。 2 小節はモチーフの 1 個目を無視すると D ドリアンスケールとなる。ここの 2 小節目もコードは DM7 であるが、ブルース的に考えて Dマイナーでフレージングしていることになる。

 3 段目。コードは 1 、2 小節共に Fm7。 1 小節。 1 拍は F ドリアンの断片(2 小節最後に D音がある)。 2 拍は C コンデミでフレージングしている。 3 拍~ 2 小節最後まで F ドリアンでフレージング。 2 小節 3 拍の B 音はグリスノートと考える。 1 小節 3 拍の G 音から 2 小節 1 拍の C 音まで Cm トライアド。2 小節 3 拍にも Cm トライアドを見つけることが出来る。 2 小節 4 拍は F ドリアンのスケール音。

 4 段目。コードは 1 , 2 小節共に Dm7。 1 小節 , 1 拍の D 音から 2 小節 1 拍の A 音まで Dマイナーペンタ+ 2    ヘキサトニックでフレージング。 1 小節 1 拍の B 音は次の C音に向かうグリスノートと考える。 1 小節 1 拍の C 音から 2 拍 F 音まで、Fトライアド。 3 拍は Dm トライアド。 2 小節 3 拍の 32 分音符 8 連は Aマイナーペンタトニック。 4 拍目、前半は半音階。後半は D ドリアンスケール。ミュート音はミスではないだろう。

 5 段目。コードは 1, 2 小節共に Fm7。ここは、 1 ~ 2 小節、共に F ドリアンスケールを軸にフレージングしている。 1 小節 4 拍裏の 3 音は 3 音で一組のモチーフになっていて、続いてそのモチーフを展開したフレーズが 2 小節 1 拍に 2 回現れている。この 3 音のモチーフの 2 番目の音はグリスノートと考え,スケール的には無視する。 2 小節 2 拍の 16 分音符の 4 音は、ハネていない。

 6 段目。コードは 1 , 2 小節共に Fm7。 1 小節、 1 ~ 3 拍は Gマイナーペンタトニックでフレージング。 4 拍 F 音はFm7のコードトーン。次の Eb 音から 2 小節 1 拍の Bb 音まで半音で下がっている。次の G 音から 3 拍 Ab 音まで、 F ドリアン。 E 音はグリスノート。 3 拍の G 音から 4 拍最後の C# 音まで半音階。(2017/02.17)

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