演奏が上手になるにはどうすればいいか(改)

楽器がうまくなるには

楽器が上手になるには、プロレベルの基礎力のあるプレイヤーと、一緒に演奏することである。しかし、力のあるプレイヤーというのは、ヘタな人と演奏するのを嫌がる。なぜ嫌がるのかと言うと、自分の、演奏が崩れるからである。何年もかけて磨いてきた、自分のフレーズが、リズムの不安定な人と一緒にプレイすることにより、崩れてくる。ピッチの甘い人と一緒に演奏することによって、自分のピッチも狂ってくる。遅れるリズムと一緒に演奏することで、自分のタイミングも遅れてくる。これを、嫌がるのである。「自分はそんなの気にならないよ。」という人は、そもそも怪しい。 腕のいいプレイヤーと一緒に演奏するには、どうしたら良いのかというと、とにかく、腕の良いプレイヤーの邪魔をしないことに尽きる。邪魔でなくて、嫌われてなければ、一緒に演奏してくれるはずだ。では、どうすればよいのか。それは、演奏のベーシック(基礎力)を、プロレベルで、身につけなければならない。 プロレベルのベーシックとは、次の五つだ。

  1. ピッチのコントロール
  2. テンポのキープ力
  3. 発音・消音のタイミングのコントロール
  4. アクセントと全体的な強弱のコントロール(特に変な所でアクセントを入れない)
  5. 音に ” 何か ” を乗せる

5 の「音に ” 何か ” を乗せる」に関しては、これがなければ音楽とは言えないと思っているので、ベーシック(基礎力)に入れている。但し、これがなくても、他の奏者(プレイヤー)の邪魔にはならないので、とりあえず、後回しでも良いだろう。「あいつ、無意味なことやってるなー。」と思われるのは、しょうがないことだ。 1,  2 , 3.  4 . においても、普通、音楽教室において言われている「演奏の基礎力」とは、全然イメージが違うものだ。普通、「基礎力」とは、初心者や、中級者を対象に考えられているが、どんな演奏の名手でも、演奏力の向上には、ベーシック(基礎力)のレベルアップしかない。バイオリンの名手が、テレビのインタビューで、「これから帰って、スケールの練習です。」と言っていた。特別な方法などないのである。ただし、プロレベルのベーシック(基礎力)である。「この位で、いいんじゃないの。」と思った時点で、戦線から脱落である。 1  の「ピッチのコントロール」については、±  5  セント。理想的には、± 3  セントである。機械じゃないので、これ以上は無理だろう。 ベーシック(基礎力)ではなく、逆に、フレーズ(作曲を含む)、アレンジ、演奏スタイル(ジャンル)に、すごくこだわっている人が居るが、これらは、好みの問題である。音楽の質の話ではない。どうでもよいとは言わないが、適切なものであれば、どれでも良いのである。平凡なフレーズが、良い演奏者によって、素晴らしい音空間を、創りだすことになるのである。理論上、どんなに素晴らしい曲でも、演奏に難があれば、良い音空間は、創り出せない。素晴らしい音空間は、良い演奏者の手にあるのであって、作曲者の手にあるのではない。よい作曲家を、リスペクトするのはよいことだが。リスペクトしすぎるのはよくない。作曲家の演奏は、普通はイマイチである。 この五つのベーシックを、プロレベルで身につけたとしても、安心ではない。油断していると、すぐに崩れるのである。特に、 3  の「タイミングのコントロール」はプロの奏者でも、良いのは、30 % 位だ。プロの奏者といってもピンからキリまでいる。日本人の奏者の場合、もっと少ない。外国人でも、タイミングの悪いプロの奏者は、意外と多い。たとえば、アフロ・アメリカンは、自分が演奏すれば 「JAZZ」だ、と思っているし、自分が演奏すれば、無条件に「ブルース」だと思っている。タイミングのアナライズなど、しないのが普通だ。彼らは、タイミングの微妙な前後の出し入れなど普通は出来ない。ハマれば強力だが、変なのも結構居るのだ。プロでも、タイミングの悪い奏者と一緒に演奏することは、結構多いので、段々タイミング感が崩れてくる。現に、プロの奏者で、定期的に私の所へタイミングのチェックをしに来るのが、何人かいるのだ。「録音したのを聞いてみて、タイミングが遅れているのがわかるのだが、前に出れない。」という人が結構居る。

1 の「 ピッチのコントロール」については、プロでも、甘い人が多いのが現状である。プロでも甘い人が多いと言う事は、ピッチをよくする方法論は、一般的には確立していないということなのだ。ピッチをよくするには、2つの方法しかない。

5 の「音に何かを乗せる」については、深く乗せることが出来る人は、プロでも 10 人に 1 人くらいのことである。プロの奏者の半数は、何のことを言っているのかわからないだろう。

2 の「テンポのキープ力」については、「ボサノバ・・・ダイアン・クラール、アストラッド・ジルベルト、サリナ・ジョーンズ それぞれのクワイエット・ナイツ(1)」に、録音時にクリックを使用していない演奏例のアナライズがある。

音に何かを乗せる・・・美しい音とは

ピッチ

音の先端(アタック)を合わせれば、2つの音が同時に聞こえるかという問題

初期のサンタナ(1969年)と ギターヘブン(2010年)のサンタナ    どこが違うのか・違わないのか?(3)