ブラスバンドについて

2014年3月28日(金)18:55 NHK Eテレのスクールライブショー(再)「吹奏楽バトル東日本グランプリ」より

ユーロビート・ディズニー・メドレーについて

ユーロビートとすれば、キックの音量がもっと欲しい。キックをもう一人増やすとか考えてもよいだろう。高校生のブラスバンド全体に言えることだが、ピッチのコントロールがかなり甘いという事がある。個々の奏者のピッチに対しての認識が甘いと言うのが大きな原因である。この位でいいんじゃないかと言う考えだ。又、ピッチに対する認識が厳しくなったとしてもピッチを良くする方法論が確立されていない。個々人が模索しているのが現状だ。もし確立しているのであれば、プロの奏者又は歌手でピッチの悪い人がもっと少ないはずである。純正律、平均律の違いが出せる人がどれだけいるのだろうか。そしてピッチをよくする方法が見つかったとしてもピッチの修正には時間がかかる。学業が本分の高校生にはむずかしいことである。ピッチはN響と比較するのが良いと思っている。

フルートピッコロのみの所で、フラットした音が多かったようだ。

ブラス全体でのタイミングはいいが、一本調子になっている。

ユーロビートなのでキックのタイミングは変えない方が良いが、メロディラインは状況によっては少しためたり、キメの所で前に出したり、変化の欲しい所だ。また、一つ一つのセクションの中でのタイミングのばらつきがあって、フレーズに角が無いと言うか、角が少し丸くなってしまった。ドラムの手は遅れている。ゆるく聞こえる。木管も金管ももっとしっかりした芯のある太さが欲しい。管の基本的な考え方は歌と同じである。

音に何かが乗ればもっと全体が美しく聞こえる。

 

 

宝島~FWOスペシャルについて

ブラス全体のリズム・タイミングはかなりよいと思う。テーマに対してバックのキメを前に出したり、タイミングをコントロールしている。このリズムがサンバだとすれば、ドラムの手は遅れている。普通キックはためるが、手はパーカッションの置き換えなのでもっとするどく聞こえるべきである。又、メロディの低音楽器が遅れている。これは同じメロディの高音に比べると遅れているということである。アタックのタイミングが同じなら、低音は遅れて聞こえる。サンバはリズムの低音はタメるが、メロディの低音はメロディ高音と同じだ。実際にはサンバのメロディはタメて演奏される場合と、タメない場合と両方ある。セクションのフレーズに少し角がある。個々の楽器のタイミングが揃っているといえる。ピッチは甘い。

 

8つの演奏会用エチュードから

スクールライブショー「吹奏楽バトル東日本グランプリ」の審査員でありプロのサックス奏者の特別ライブ。

チャーリー・パーカーと比べると、タイミングは少しタメて吹く人である。音に何かを乗せるという事をやっている人だが、パーカーの方がもっと濃く乗っている。ピッチはパーカーより良好である。パーカーの現在でも通じるすごい所は、音に魂を乗せる力とタイミングの良さから来るフレーズの切れの良さ、スピード感。この2点だ。実はピッチは現代においては少し甘い。これはチューナーがなかった時代の人なので仕方がない。音に魂を乗せる力と、フレーズのスピード感は、ジャズピアノのミシェル・ペトルチアーニが同じ2つの点で非常によく似ている。音にパーカーと同じものが乗っている。タイミング感もパーカーと同じものである。現在でもこのタイミングで演奏する演奏家は少ない。

8つの演奏会用のエチュードに戻る。サックスの音は少し細い。もっと太い音で演奏する人が日本人の中にも居る。ピッチは気持ち低めに吹いている。特徴的と言うか、ジャズっぽく聞こえるのはテーマにおいても、長い音にはわずかであるがベンディングが見られることである。意識してベンディングの癖を消そうとしてるんだと思うが、ピッチが微妙に動いている。アドリブにおいては、水を得た魚のように深いベンディングを多用している。テーマはピアノのバッキングに比べて遅れて吹いている。タメて吹いているとも言えるが、サビの16分音符3つの塊が連続する速吹きのフレーズはもっと前に吹いた方がスピード感が増す。そしてそのサビの終わりの登りつめた最後の音は少し低い方にずれている。

アドリブになるとテーマよりも前に吹いている。ピアノはタイミング、タッチともに見事である。

 

 

/マーチング・チャイコフスキー/東海大学付属高輪台高校について

当然ながら素晴らしいバンドである。

最初の木管とホルンのイントロ、3つめの音でフルートが下がりきってなく高くずれている。その後のクラリネットもピッチが不安定だ。ただし、ホルンのチューニングがあっていればの話である。ホルンのピッチが一番安定していて、他の木管はピッチが甘く不安定である。N響と比べての話だ。オーボエもフルートももっと音に何かを乗せるべき。全然乗っていないとは言っていない。N響の若い女性のオーボエ奏者、すごく音に何かが乗る。N響と比べないでくれと思われるかも知れないが、もうそういう存在になっている。次にコーラスと伴奏楽器のピッチが合っていない。前からの繋がりで見ると、コーラスが少し低く始まっているが伴奏も不安定で高く外れた音がいくつかある。次にトランペットが2人。最初のトランペットに比べて2番目のトランペットのチューニングが高くなっている。又は、最初のトランペットの8番目の音であるロングトーンが低いのか?たぶん両方だろう。最初のトランペットは少し低めのコーラスに合わせているように見える。これも低音楽器が鳴っていないのではっきりしない。全体が鳴っている時の内声の個々のピッチについてはわからないが、トップの音についてはわかる。表面上に現れる音(トップの音)のピッチが甘いのがわかる。

パーカッションの中に女子2人、男子1人のスネア奏者が居る。どなたも素晴らしいが同じフレーズをたたいている時、男子の音に比べて女子は2人とも少し後ろだ。この差は実はすごく大きくて、聞こえ方が全然違ってしまう。繰り返しになるが違った色で聞こえるということは音楽的に大きく違うということである。男子の方はプロですぐに通用する。

何かの舞曲のリズムパターンだと思うが、少しタメてたたいている。次にスネアのソロがあるが、3人ともに素晴らしい出来である。

次にシンバル隊が登場するが、タイミングはもっと前に打つべきである。少しやわらかく聞こえる。緊張感がもっと欲しい所だ。

このへんからチューバの音がはっきり聞こえるようになり、低音楽器群が遅れているのがわかる。最後の2拍3連を含め、低音が後ろへひきずっている。ここはN響ではなくベルリンフィルを参考にすべきである。

N響との大きな違いは、ピッチと音に何かを乗せることの2点で、N響が大きく上回っている。N響もタイミングは甘い。

テノールのプラシード・ドミンゴ氏が9.11の直後、ニューヨークの瓦礫の前でアカペラによる「アベ・マリア」を歌うのを偶然テレビで見ることが出来た。それは私の聞いた最も美しい歌の一つとなった。技術的なことはもちろん素晴らしいが、音に何かを乗せるという点で圧倒的で美しい空間だった。このプラシード・ドミンゴ氏もオペラにおいては音に何かが乗った状態はほとんどみられない。音楽と他のことの、同じ時間における両立のむづかしさだ。集中するとは他のことをしないということだからだ。これがマーチングの、音楽の質における一番の問題点である。

高校日本一のブラスバンドで、素晴らしいバンドであることは間違いない。社会人、大学、アマチュアオーケストラを含めても上位にあるバンドだろう。2014/06

音に何かを乗せる・・・美しい音とは

ピッチ

クラシックの発音のタイミング(改)

佐渡裕 と PMFオーケストラ

音の先端(アタック)を合わせれば、2つの音が同時に聞こえるかという問題

HKT 森保 まどかのピアノ演奏(異邦人)について・・・

英語と日本語のタイミングの違い(改)