独習する JAZZ STUDY (バークリー理論) 3
ここから、105 Pへ飛ぶ。 24 P のテンションは、スケールがわかってからの方が理解し易いからだ。
7 種の旋法について補足する。
① アイオニアンスケール : メジャースケールと同じ
② ドリアンスケール : N M(ナチュラルマイナースケール)の # 6
③ フィリジアンスケール : N M の b 2
④ リディアンスケール : メジャースケールの # 4
⑤ ミクソリディアンスケール : メジャースケールの b 7
⑥ エオリアンスケール : N M と同じ
⑦ ロクリアンスケール : N M の b 2 , b 5
EX 149 と EX 150 の Dominanto は 無いのが普通である。
ジャズでよく使われる、上記 7 種の旋法以外のスケール
⑧ リディアン 7th スケール : メジャースケールの # 4 , b 7
⑨ アルタードスケール : ロクリアンの b 4
⑩ ディミニッシュドュ スケール : 全半全半の積み重ね
コンビネーション ディミニッシュドュ スケール : 半全半全の積み重ね
⑪ ホールトーン スケール : 全全の積み重ね(Ⅰ+ / Ⅱ + オーギュメントスケール )
オーギュメントスケール : Ⅰ+ / Ⅲb オーギュメントスケール
Ⅰ+ / Ⅱb オーギュメントスケール
⑫ ハーモニックマイナー パーフェクト 5th ビロー : 完全 5 度下の ハーモニックマイナーを 5 度から並べたスケール
⑬ ミクソリディアンb6 : メジャースケールの b6, b7
⑭ ハーモニックメジャー スケール : 前半 メジャースケール、 後半 ハーモニックマイナースケール
⑮ ナチュラルメジャー スケール : 前半 メジャースケール、 後半 ナチュラルマイナースケール
⑯ スーパーロクリアン : ロクリアン の # 2
⑰ スパニッシュ : フィリジアン + ナチュラル 3
107 P , 長方形枠の ③ 「主に Lydian scale を使う」 は削除。そこは 「その場の調性によって、 アイオニアンか リディアンかを決める」 に修正。
例えば、 Key : Eb の場所で、FM7 のスケールはどうなるのか? M7th コードのスケールは、アイオニアン(イオニアン) と リディアン の 2 種類のみで、違いはナチュラル 4 (アイオニアン)なのか、 # 4 (リディアン)なのかの違いだけである。 FM7 における ナチュラル 4 は Bb 音、 # 4 は B音となる。そして、Ebメジャースケール には Bb音 があって、 B音 は無い。故に、Key : Eb における FM7 は Fアイオニアンスケールとなる。
Key : D における FM7 は Fリディアンスケール
Key : Cm における FM7 は Cナチュラルマイナー と考えれば Fアイオニアンスケール
key : G における FM7 は Fリディアンスケール
key : Eb における DM7 は Dアイオニアン、 Dリディアンの両方可
key : B における FM7 も 両方可
Key : A における EbM7 も 両方可
108P。下半分にブルーススケールについて書いてあるが、バークリー理論はブルースを避けている。というか、バークリー理論では説明できない。私の考えになるが、まず一部のアフリカ人がマイナーペンタトニックの音律で唄うようになった。日本の民謡もマイナーペンタトニックは多いし、これは他の民族でもあり得る。このマイナーぺンタトニックは、倍音から生まれていない。倍音に、短 3 度と完全 4 度は無いのである。倍音という考えが発生する以前に、マイナーペンタトニックは存在していたとみるのが良心的である。古代からマイナーペンタトニックはあったのだ。そしてそのマイナーペンタトニックと、倍音として感じられるリディアンスケールを複合させた。センター C とすると、C, D, Eb, E, F, F#, G, A, Bb, B音とする 10音スケールになった。このスケールは、C マイナーペンタトニックスケール+ b5, C メジャーペンタトニックスケール、 C メジャースケール、 C ドリアンスケール、 C ミクソリディアンスケール、 C リディアンスケールの 6 種類のスケールの複合でもある。一つのトニックコードに対して、 6 つのスケールを同時に、かつミックスして使っているとすれば、これはトーナルセンターシステムである。古代の音楽は、 1 オクターブが 12 音とは限らない。ピタゴラス音律で 1 オクターブが 12 音となったはるか以前の話である。トーナルセンターというのは、中心音があり、その中心音から他の音へ何度か飛び、また中心音に戻ってくればいい訳だ。飛び方が変われば音律が変わったということである。音律(スケール)のミックスも可である。それらの音律を複合してみると、結果として10音になったのがブルーススケールである。唄(メロディ)は、和音を無視してトーナルセンターシステムで唄い、その唄に機能的和声の和音の伴奏がついたのがブルースである。あくまで仮説である。
131P。上から 7 行目 Harmonic Minor Scale を Harmonic Minor Perfect 5th below に訂正。 Ex 174 の D7 の下のスケールは G 音が抜けている。ただしG音はアボイドである。
この D7 のスケールは、 key F を意識(重視)すれば、 D ミクソリディアンb6 、D ハーモニックマイナーパーフェクト 5th ビロー、D アルタードとなるが、 Am7 - D7 -G7 を Ⅱm7 -Ⅴ7 -Ⅰ7 の部分転調と考え、これを重視すれば、 Dミクソリディアン、D リディアン7th , D アルタードとなる。奏者がどう感じるかで決まる。この D7 は Ⅵ7 なので一般的には Dアルタード、 Dハーモニックマイナーパーフェクト 5th ビロー となっているが、それは D7 -Gm7 -C7 -F を想定しているからで、ここの場合は Gm7 ではなく G7 なので D ミクソリディアン、 D リディアン7th , D アルタードがベターである。ただブルース的に考えれば、 D メロディックマイナーパーフェクト 5th ビロー、D ハーモニックマイナーパーフェクト 5th ビロー、D アルタード も不可ではない。そもそもブルースは オール スケール O Kなのだ 。
ノンダイアトニックコードのスケール設定では、マクロとミクロの両方の視点が必要になる。マクロ的視点とは、その場のダイアトニックコードが示す調整でスケール設定を考えることであり、ミクロ的視点とは、そのノンダイアトニックコードの前後、特に後ろのコードのスケールを考慮して、スケール設定を考えることである。
132P。 アボイドノートの条件は二つある。一つ目は、コードトーンの半音上の音(7th コードの b9 , b13 は除く)。二つ目は、コードトーン以外の音で、その音を使用することでコードの機能(トニック、サブドミナント、ドミナント)が変化する場合。基本的にこの二つの条件の内、どちらか一つでも満たせばアボイドノートとする。