クラシックの発音のタイミング(改)
2014年5月28日(水)AM2:40 テレビ東京 crossroad (再) ベルリンフィル(コンサートマスターは樫本大進氏(ヴァイオリン))について
このときのベルリンフィルの演奏は、ヴァイオリンだけではなく他の楽器もN響に比べて発音のタイミングがかなり早いのがわかる。
2014年8月10日(日)夜NHK Eテレ クラシック音楽館でN響コンサート1785回定期(2014年6月13日NHKホール)を見た。ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番ニ短調作品30 、 ピアノはベフゾド・アブドゥライモフ氏である。ベフゾドのピアノはテクニックはもちろん素晴らしいが、タイミングに少しの遅れもない事と、当然ながら音に何かを乗せているので音が美しい。日本人のクラシックピアニストでこのタイミングで弾く人はほとんど居ないのではないか。ブーニンもベフゾドに比べれば後に音を置く。
ピリスという音にすごく何かが乗る女流ピアニストがいる。彼女はベフゾドを上回るほどの美しい音を持っている。しかし、タイミングに関してはベフゾドよりかなり遅れて音を出す。今回のN響のメンバーの中に、ベフゾドと同じタイミング感を持ったセンスの良い奏者は見当たらなかった。たとえいたとしてもトップに合わせるしかない。N響は年功序列なのだろうか。今回ソロを取ったフルート、ホルン、オーボエ、タイミングが遅い上、音が美しくない。音に何も乗ってない。フルートは特にピッチが甘く、ホルンもオーボエも外国のオーケストラに比べるとピッチが良くない。一応そつなく演奏しているのだろうが、アートの世界では、そつなくはダメと言うことである。オーボエも若手にもっと音の美しい人が居るし、他のパートにも居るはずである。ロータリートランペットのソロは良かった。コンサートマスターもどうして変えたのか意味がわからない。いつものコンサートマスターで良いと思う。N響を仕切っている人物を変えなければN響は良くならない。国民から金を徴収している以上、NHKの勝手だと言うわけには行かないだろう。
ツィマーマン(ピアノ)のラフマニノフピアノ協奏曲1番2番(小澤征爾/ボストンシンフォニー)のCDと較べるとまずボストンのオケが美しい。ピッチ補正をしているのではと思う位ピッチが正確だ。でもこの美しさはピッチから来るものではなく、音に何かが乗っていることから来るものである。特にストリングスに乗っているものが濃く感じられる。サラ・チャーン(ヴァイオリン)ムター(ヴァイオリン)ロストロポーヴィッチ(チェロ)などに乗っているものとは違い少し明るいものだ。このオケ、音に何かが乗っているという点でベルリンフィルより上回っている。ツィマーマンのピアノはタイミングはもちろん音も美しいと思う。早いパッセージでも十分美しい音を出している。ベフゾドの場合は早いパッセージは少し雑になり音に乗るのも薄くなる。この音の美しい主役のツィマーマンよりもボストンのストリングスの方が美しいのだ。オケがピアノより遅れて演奏しているところはほとんどない。オケのリズムの切れは素晴らしい。シンバルも大太鼓もN響よりタイミングが前だ。基本(音に何かを乗せること・発音のタイミング・ピッチ)的なことでボストンがN響を大きく上回っている。
指揮をしているアシュケナージュ、ピアノにおいては音も美しいしタイミングも素晴らしい。2014/06(完)