初期のサンタナ(1969年)と ギターヘブン(2010年)のサンタナ    どこが違うのか・違わないのか?(4)

初期のサンタナのタイミングについてはどう考えるのか・・・
1969年からサンタナが演ってきた音楽は何なのか? 短く言うと、ラテン音楽とロック(ブルース)の融合、そして革新を少々・・・。問題なのは二つの異なったものを混ぜ合わせる場合、どの部分を取り入れてどの部分を捨てるのかで、まるっきり違ったものが出来てしまうことだ。タイミングに関して言うと、ラテンとブルースは大きくは三点相反する。ラテン音楽の場合、例外もあるが基本的にメロ(唄)はパーカッションより少し後ろと見るべきだろう。ロックもブルースもメロ(唄)は基本的にタメていない。これが1点。ラテン音楽はコードのバッキングは基本的にタメないが、たとえタメてもブルースほど大きくタメない。これが2点目。ラテン音楽はベースが大きくタメている。ブルースも少しはタメるがラテンほどではない。これが3点目。初期のサンタナを聞くと、メロ(唄)はラテン、バッキングはブルース、ベースはラテンとなっている。これにラテンパーカッションとドラムが加わった状態だ。こういう見方が良心的な見方だ。このラテン音楽とロック(ブルース)の融合において、ドラムよりもパーカッションが前面に出てラテンが強調されている。ギターのフレーズはブルースなのだが、少しタメて弾いてラテンっぽさを残している。スティービー・レイボーンのブルースと較べるとメロをタメて弾いているのがよくわかる。サンタナのギターのコードカッティングは、ブルースっぽくタメて刻んでいる。オルガンのバッキングも、オルガンと同じパターンを刻んでいるパーカッションに対し大きく後ろにずれていて違和感を感じる。まだ初期の段階なので、詰めの甘い所が残っているのだろう。しかし、ギターの音は美しい。

繰り返すが、これが良心的な見方だ。これに対し悪意に満ちた見方もある。初期のサンタナはタイミングが遅れていて、40年かけ”ギターヘブン”において修正してきたとする見方だ。(実際は90年代から良くなっている。)この見方の根拠は、これは初期のサンタナにおいて、タメないでシャープにきちっと弾いている演奏が見当たらないからだ。しかし今回はこの見方は取らない。なぜならあきらかにコンセプトが変化しているからだ。初期のサンタナと較べて”ギターヘブン”は、ロック色が強くなっている。ロック(ブルース)と考えれば、ギターソロは当然タメないでシャープに弾くことになる。さて、早速”ギターヘブン”の1曲目を聞いてみることにしよう。(つづく)