初期のサンタナ(1969年)と ギターヘブン(2010年)のサンタナ    どこが違うのか・違わないのか?(5)

ギターヘブン“の1曲目”Whole Lotta Love“。初期のサンタナに較べると、別人のサンタナがそこには居る。ハードロック調のゆったりしたギターリフに続いて、唄が始まる。唄もハードロックよろしくパワー感全開、タイミングにタメは無く、かなりシャープだ。初期のサンタナはドラムスよりもラテンパーカッションが強調されていたが、この曲は音量的にもドラムスがパーカッションよりかなり強調されたミックスになっている。ミディアムテンポの曲の為か、パーカッション、カウベルは若干タメているがかなりシャープだ。ドラムスのスネアはカウベルよりタメていてギターのリフに合わせている。キックはスネアより前だがカウベルに合っている。初期のサンタナに較べて少し整理されてきている。前から順に唄とギターのメロ、次にカウベル、パーカッション、キック、次にギターリフ、スネアそしてもっと遅れてベースだ。初期のサンタナとの違いは、唄とギターソロにタメが無いことと、ドラムスが音圧的に強調されパーカッションがマスキングされてしまったことだ。カウベルしかはっきり聞こえない。かなりロック(ブルース)寄りになって来たと言える。ブルースは、メロ(唄)はタメない。タメるのはスネアとコードカッティングなのだ。付点8分音符・16分音符・タイで繋いだ4分音符のシャープなキメの連続と共に始まるサンタナのギターソロにタメは無く、スティービー・レイボーンのソロと変わらないキレがある。初期に較べて、より緻密にコントロールされた速いフレーズも見られる。別人のサンタナがそこには居る。神が降りてきたような美しい空間がそこにはある。

4 曲目,ビートルズの”While My Guitar Gently Weeps“にヨーヨーマのチェロが参加している。異様にタメて弾いているが本人にタメて弾いている認識はないはずだ。それはクラシックの曲を弾いても遅れているからだ。音に何かが乗っているかと言えば、それほどでもない。弦楽器特有の悪魔の声は聞こえて来ない。しかしこのCDに話題性を与え、CDの売り上げに貢献したことは間違いない。2014/10(完)